053. 婚活パーティー 結婚と恋愛と自問(13)
二人して、照れたような、可笑しいような、そんな仕草で視線を交わし合う。 「うまく行きませんね」 「本当に。結婚したいのに」 諦めにも似た笑みを漏らすEさんだったが、結婚、と自ら口にした彼女からは、俄然、強い「女」の気配が伝わってきた。 それは色気にも近いが、もっと現実的で、いい男をつかまえて結婚して子供を産み育ててよりよい老後を迎える、というような希望というか気迫がこもっている空気。 匂いまでしてきそうだ。 そんな彼女が魅力的に思えた一方で、結婚を重く捉えがちであることを自覚している僕は、内心、たじろぐ。 本気のEさんを受け止められるだろうか。 そこまで彼女のことを想えるだろうか。 お付き合い…