ノンフィクション短編小説「ある両片思いの恋愛風景」

ノンフィクション短編小説「ある両片思いの恋愛風景」

今回から数話にわたって、ノンフィクション短編小説を連載したいと思います。 第1話 出会い 私は名前を正 公一という、マルマル商事総務課に勤務する、今年で50歳になるオヤジである。 「やあ、おはよう」 「おはようごさいます」 “キンコーンカンコーン” 今日一日の始まりである。 「これから朝礼を始めます」 若い頃から欲がなく、お金も生活にいるだけあればいいという主義で、この年になってもヒラである。 「今日も一日よろしくお願いします」 とりえといえば、欲がない分ストレスがなく、天然とよく言われること。 それと身体が丈夫なことくらいか。 妻子はいない。 今まで天然な性格ゆえに子どもっぽく思われたのか、…